大林 岳史(新浜探鳥会 担当)
鳥の世界は、人間界の「コロナ禍」とは無縁のようで、例年通りシギ・チドリが春の渡りをして行った。ここ数年、春の大型連休周辺で、このシギ・チドリ類を観察しに、日本最大のシギの中継地である「東よか干潟(大授搦)」に出かけていたが、今年はそれが叶いそうにない。(大変残念)
東よか干潟の知名度も上がってきて、当会会員の方にも、「どうやって行くの?」や「いつ行けばいいの?」という攻略法を問い合わせられる事も多くなってきた。そこで昨年のトピックスを交えて情報をお伝えしようと、パソコンに向かうことにした。
(本稿は前編・春編・秋編と3部構成でお送りすることとなった。秋編は夏頃を目途に執筆をしていきたいと考えている。)
東よか干潟(大授搦)とは
検索する際には、「干潟よか公園」で検索して頂くと出現する。シギ・チドリ類の渡来数が国内最多(環境省調査)の水鳥の渡来地であり、2015年にラムサール条約に登録された。年長者のバードウォッチャーの中は「大授搦(だいじゅがらみ)」と呼ぶ人が多い。公的には「東よか干潟」と呼称する。
※大授搦と東よか干潟は同一場所を指す。
※「搦(がらみ) ... 九州西部にある有明海(ありあけかい)沿岸、特に佐賀県域に多い干拓地地名。現地に行くと、授産社搦(じゅさんしゃがらみ)など、末尾に「搦」が付いた地名が多数。
東よか干潟 野鳥カレンダー (中村さやか様 作成)
佐賀へのアクセス
・東京羽田から「九州佐賀国際空港」行きの飛行機がある。(ANA ; 外部リンク)
・東京成田から「九州佐賀国際空港」行きの飛行機(LCC)がある。(春秋航空日本 ; 外部リンク)
⇒ 値段によって荷物の重量制限があるので注意。大型連休時はあまり安くない。
※福岡空港から佐賀駅前バスターミナルまで、高速バスがある。(西鉄バス 1時間15分 ; 外部リンク)
現地での移動手段
・佐賀空港⇒干潟よか公園 (8km ; タクシーで2,620円)
※公共交通機関はタクシーを使用する。(東よか干潟まで行く路線バスは無さそう。)
・レンタカー移動以外は非現実的。(レンタカーは2020年度もキャンペーン実施中。; 外部リンク )
⇒ 複数人で利用すると、最初の24時間は1,000円/台でありお得。(コンパクトカー)
いつ行けばいいの?
「干潟の生き物図鑑 佐賀県ラムサール条約登録湿地 東よか干潟 肥前鹿島干潟」 (外部リンク)をベースに考慮する。このサイトに「潮見表」(pdf)へのリンクがある。この潮見表を見て、「赤のハイライトになっている日」を狙って行程を検討する。
※有明海は干満差が大きく、干潮時には「有明海一面が干潟になる」と言っても過言ではない。干潮時は鳥も無理に沿岸で採餌する必要が無い為、沿岸に鳥が残らない。逆に満潮時には、干潟が海水で埋まる為、水に押し上げられて海岸に鳥が密集する。これを観察することが目的。(「野鳥観察は潮位が5m以上ある日の満潮2時間前くらいから開始」という記載がpdf上部にある理由は上記の通り。)
※満潮が午前中に来る時間帯を狙うことも大事。大授搦の午後は逆光なので観察に不適。
必要な観察道具
双眼鏡だけでは倍率的に少々不足。鳥も比較的小さい種類が多い為、望遠鏡はあったほうが絶対に良い。最近は防振の高倍双眼鏡もあるが、ずっと双眼鏡を構えているのも、姿勢的に苦しい。また、満潮時にはあっという間に水が押し寄せてくるので、足元は長靴が必須。サンダルもお勧めしない。通常、通路は有明海特有の粘土のような泥が堆積し、ドロドロだと思っていた方が良い。コンパクトになるので公財)日本野鳥の会の折り畳み長靴を推奨(外部リンク)。 また5月といえども、干潟は直射日光が当たり、コンクリート通路の照り返しも厳しい。日影は皆無なので、熱中症対策必須。水分は十分に持参すること。
東よか干潟 全貌 (全長2kmのコンクリート通路 ; 柵の向こうは有明海)
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