石亀 明(新浜探鳥会・Young探鳥会担当)
遠方の鳥見友達はいますか?
世の中「GoToトラベル」が実施されるなど遠距離の方が東京に来る機会も増えつつある。
また、関西圏から東京に出張する前に
「どうしても青くて綺麗なオ●ガが見たい!どこにいる?」
との質問を受けることがしばしばある。
身近でどこにでもいるのだが、確実にみられる場所というとなかなか難しい野鳥がいる。
そうカラスの仲間である「オナガ」だ。
オナガを普通に観察することができる当会の会員には、ピンと来ない話だが、オナガの分布は局所的で、関西などでは見ることが難しい野鳥なのだ。
オナガは、一定の範囲を周遊するかのうように移動する野鳥で、繁殖期以外は、小群れで移動している事が多く確実な観察ポイントを絞り込むことがむつかしいのだ。
迷った挙句紹介しているのは都心「大手町」から15分「東京メトロ東西線西葛西駅」から南に連なる「新長島川親水公園」から「新左近川親水公園」周辺だ。
オナガは、群れで林縁を移動していく事が多いが、この細長い公園であれば、その群れを逃さずに出会える可能性がかなり高いのだ!
西葛西駅を降りて、市街地を3分ほど進むと江戸川区球場にあたる。
球場を横目にしながら歩道橋の上から見渡すと、運がよければ、いきなりオナガに出会えることもある。
実際に風景写真を撮影した日は、下車3分であっさりとオナガを発見してしまった。
しかし、慌ててはいけない。
なんと言っても、野鳥には翼があり、必ず見られるわけではないのだから。
葛西名物、清新町の大型団地群を横目にオナガの少し濁った「ギュエェ~イ!」という声がしていないか耳を澄まそう。
関西のバードウォッチャーには、聞き馴染みの無い声かもしれないが、ムクドリに似た声なので、ムクドリだと思ってスルーしないように注意願いたい。
常緑樹の中に入っていることも多いので、声の予習は必須だ。
声で見つける鳥だと思ってほしいくらいだ!
「新長島川親水公園」で多くの人はすでにオナガを目撃することができるだろう。
それでも、見つけられなかったあなたは
「新長島川親水公園」から東西に延びる
「わかくさ公園」
「新田の森公園」もチェックしてみよう。
流石にみつかったでしょう?
え、まだ見つからない?
それじゃあ、さらに進んで
「新左近川親水公園」に入ると水辺が広がり眺望を確保することができる。
また、橋の上では、さらに広く見渡すことも可能でお勧めだ。
時間があるのであれば、東西に伸びる公園を往復して探すのもよいだろう。
なんと、この場所でも観察できなかったという猛者の報告も受けている。
その場合は、そのまま南下して葛西臨海公園を目指そう。
広い公園だがオナガ以外の野鳥も多く間違いがないだろう。
え、それでも見られなかったって!?
それじゃあ、最後の手段。
時間を変えて夕方に歩いてみてほしい。
常緑樹で集団塒(ねぐら)を形成することが多く、塒入りする前に鳴きかわしながら集まる習性があるので、この時間を狙うのがベストだ。
出張の仕事帰り、近くに宿を予約してチャレンジしてみてほしい。
きっと黒い帽子に白と青の美しい野鳥を見つけることができるだろう。
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