西村 眞一(善福寺公園探鳥会 担当)
二階堂善繁氏の「全国主要探鳥地の近況(伊豆沼・内沼及び蕪栗沼)」が掲載された当会会報『ユリカモメ2021年12月号』が自宅に届いた翌日に、宮城県の伊豆沼・内沼及び蕪栗沼へ行ってきた。
マガンの群れ 11月27日 伊豆沼周辺
ヒシクイ 11月27日 蕪栗沼
伊豆沼へ最初に行ったのは、今から45年前の1976年11月14日であった。東京支部の伊豆沼探鳥会で、前日夜に上野駅で23時32分発の夜行急行いわて3号に乗車し、宮城県小牛田駅で鈍行列車に乗り換え、14日7時過ぎに伊豆沼の最寄り駅の新田駅に到着した。当日は雨だった。探鳥会参加4回目となる私は、雨のせいもありほとんどの鳥を確認できなかった。また水鳥類を見るのも、一週間前の不忍池探鳥会が初めてであった。ハクチョウに、オオハクチョウ、コハクチョウの2種類がいるのも知らずに参加した。また参加者が盛んにシジュウカラを探していたが、何で小鳥のシジュウカラを探しているのかと、疑問に思っていた。
午後1時過ぎには新田駅から乗車し、帰京した。帰りの電車内で、初めてシジュウカラが、実はシジュウカラガンの事と知った。この伊豆沼探鳥会の後、もっと鳥の事が知りたくなった。この伊豆沼が、私の野鳥人生の原点となったと言っても過言ではない。翌年11月にまた東京支部の夜行日帰り伊豆沼探鳥会があり、参加した。伊豆沼でたった1羽のシジュウカラガンを見ることができ、探鳥会の参加記事にこのシジュウカラガンの事を書いた。
塒入りのシジュウカラガン 11月27日 蕪栗沼
その後も夜行日帰りや泊りで、何回も伊豆沼に行った。今回の伊豆沼は某旅行会社のツアーで、行き帰りともに東北新幹線を利用した。伊豆沼には、20数年ぶりだった。ユリカモメ12月号に二階堂氏も書いてあるように、昔に比べるとガンの数が非常に多かった。シジュウカラガンも数が多く、蕪栗沼の塒入りでは頭上を集団で飛んで行った。昔のフィルムカメラでは、フィルムの高感度がISO 400程度であったが、今回持参のデジタル一眼レフカメラでは、ISO 6400で暗闇の中を飛ぶシジュウカラガンの姿を、写す事が出来た。今回のツアーで一番見たかったハクガンも、5羽の群れと3羽の群れと出会い、撮影もできた。伊豆沼の日の出前後に飛び立つガンの群れと、蕪栗沼の日の入り前後のガンの塒入りは、感動ものだった。この時期の伊豆沼・内沼及び蕪栗沼は、何回行っても楽しいと思える場所だ。
日の出とガン 11月28日 伊豆沼
オオハクチョウ家族 11月28日 内沼
鳴きながら飛ぶハクガン 11月28日 伊豆沼周辺
日本野鳥の会東京
Wild Bird Society of Japan TOKYO
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