真夏の善福寺公園

西村 眞一(善福寺公園探鳥会 担当)

真夏の善福寺公園は、セミの声であふれかえっている。

 

ミンミンゼミ 8月21日 善福寺公園上池

 

そんなアブラゼミやミンミンゼミの声がしている公園内にカラスがいた。口の中が赤いので、カラスの幼鳥とわかったが、さてこのカラスの幼鳥がハシブトガラスなのか、またはハシボソガラスなのかがわからなかった。そこで以前に、私が写真展に出品したハシブトガラスの写真を、「ハシブトガラスではなくハシボソガラスです」と指摘いただいたH.A.さんに写真を送ったところ、ハシボソガラスの幼鳥と教えていただいた。

 

ハシボソガラス幼鳥 8月21日 善福寺公園下池

 

公園内で鳥の羽を拾った。大きさと色合いからムクドリの羽かと思ったが、ユリカモメ2020年7月号のおすすめの1冊で紹介の叶内拓哉著、高田 勝著『原寸大写真図鑑 羽 改訂版』で調べたところムクドリの羽より3cm大きかった。なぜに拾った時にムクドリの羽と判断したかだが、昨年8月の善福寺探鳥会の時に公園内にムクドリの羽が数羽落ちていたので、茶褐色の色でもあり、ムクドリの羽と判断した。ちょうど夏の季節は鳥の換羽期にあたり、公園内には羽がよく落ちている。『梅雨の善福寺公園』で謎のカモをヨシガモと教えてくれたY.O.さんに写真を送ったところ、前述の羽図鑑で調べていただいた結果、ハシボソガラスの幼鳥の初列風切P10の羽と教えていただいた。P10は初列風切の一番外側の羽である。

 

 ハシボソガラス幼鳥の羽 8月26日 善福寺公園下池

 

公園内でカワセミのダイビングを見た。残念ながら小魚は捕食できていなかったが、水中から戻ってきたカワセミの姿が、まるで水浴びをした後の姿のように見えた。こんなにずぶ濡れのカワセミの姿を見たのは、初めてだった。

 

カワセミ 8月21日 善福寺公園上池

 

善福寺公園に40年間通い続けているが、ハシボソガラスの成鳥は見たことはあるが、幼鳥は初めて見た。また、ハシブトガラスの羽は公園内でよく見かけるが、ハシボソガラスの羽は初めて見た。カワセミのずぶ濡れの姿といい、40年間通い続けても何か新しい発見があるから、野鳥観察は楽しい。

 

 

ハシブトガラス初列風切P6 8月26日 善福寺公園下池