西村眞一(善福寺公園探鳥会担当)
都心で桜(ソメイヨシノ)が満開になったと発表された2日後の、4月6日に上野恩賜公園(以下上野公園)へ行ってきた。上野公園に行ったのは、2019年3月17日以来だった。その時はまだソメイヨシノは咲いてなくて、早咲きのカンヒザクラが咲いていた。6日の上野公園内の桜は、満開だった。
エドヒガン 4月6日 上野公園
上野公園内にある不忍池周りのソメイヨシノも、満開だった。
ソメイヨシノ 4月6日 不忍池
不忍池に着くなり、桜をバックにした冬羽のユリカモメがいた。
ユリカモメ(冬羽) 4月6日 不忍池
不忍池は都心にある池だが、この時期には『東京都の鳥』のユリカモメが多数いる。
ユリカモメ 4月6日 不忍池
ユリカモメは冬鳥で、日本より北の地域で繁殖している。春になるとユリカモメは、顔が黒頭巾みたいな夏羽(繁殖羽)に換羽する。
ユリカモメ(夏羽) 3月6日 不忍池
中には冬羽から夏羽へと換羽中のユリカモメもいた。
ユリカモメ(冬羽→夏羽) 4月6日 不忍池
ユリカモメ(冬羽→夏羽) 4月6日 不忍池
また昨年生まれの幼鳥もいた。
ユリカモメ(幼鳥) 4月6日 不忍池
ユリカモメ以外にも、成鳥夏羽のウミネコがいた。
最近ウミネコは都内でも、繁殖するようになった。
ウミネコ(夏羽) 4月6日 不忍池
ウミネコ(夏羽) 4月6日 不忍池
ダイサギも嘴が黄色い冬羽の個体と、嘴が黒色となる夏羽へと、換羽中の個体がいた。
ダイサギ(冬羽) 4月6日 不忍池
ダイサギ(冬羽→夏羽) 4月6日 不忍池
以前のコラムで、日比谷公園にはスズメが多いと書いたが、不忍池にもスズメは多くいる。
ソメイヨシノにスズメがいた。
スズメ 4月6日 不忍池
このスズメが何をしていたかというと、桜の蜜を食していた。
ヒヨドリやメジロも花の蜜を食しているが、見ると嘴を花に中に入れている。細く長い嘴の中にある舌の先が筆状になっていて、花の蜜がなめやすい形状になっている。
ヒヨドリ 2019年3月17日 不忍池
メジロ 2018年2月28日 善福寺公園上池
但しスズメの舌は、筆先のような形状にはなっていない。
そこでスズメは蜜のある花びらの根元を食いちぎって、くわえて蜜を食するのです。
スズメ 4月6日 不忍池
上野公園には7時30分から10時30分までいた。巣材をくわえて飛ぶカワウや夏鳥のツバメを含めて、18種類を記録した。冬鳥のカモは、ハシビロガモが1羽、オナガガモが2羽、キンクロハジロが6羽だった。
ちなみに不忍池で初めて鳥を見たのは、1976年11月7日の当会の“不忍池探鳥会”で、当会に入会して第3回目となる探鳥会であった。
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