『続・悟堂山荘とジョウビタキ』

西村眞一(中西悟堂研究家/善福寺公園探鳥会担当)

6月1日に山梨県北杜市にある通称“八ヶ岳野鳥村”に行ってきた。

八ヶ岳野鳥村(以下野鳥村)を訪ねるのは、一昨年の5月2~3日以来となった。

この時の事柄は2023年6月14日にupされた、本コラム『悟堂山荘とジョウビタキ』に記述している。

今回再び野鳥村に行ったのには、三つの目的があった。

一つは、2024年8月に古本屋から1,000円で入手した中西悟堂さんの色紙(印刷)を、野鳥村内の悟堂山荘に置いて、この色紙と悟堂山荘のツーショット写真を撮ることだった。

二つ目が当日午前中に開催される野鳥村自然観察会に、参加する事だった。

三つめが、野鳥村周辺で繁殖しているジョウビタキに出会い、願わくはジョウビタキの幼鳥にも出会うことであった。

朝7時に野鳥村に着いた。気温は12度だった。早速悟堂山荘を訪ねた。

 

悟堂山荘入口 6月1日 野鳥村

 

悟堂山荘 6月1日 野鳥村

 

早速色紙を悟堂山荘のテラスに置いた。色紙の文面は購入時には読み取れなかったので、専門家に解読してもらった。

色紙には、「自然は 文明より 大きい」と書いてあった。

 

中西悟堂色紙 6月1日 野鳥村

 

悟堂山荘と色紙 6月1日 野鳥村

 

 8時30分から“八ヶ岳野鳥村自然観察会”が、始まった。

講師は前回同様に、(公財)日本野鳥の会参与の安西英明さんだった。

安西さんは、野鳥はもちろん昆虫や植物などにも、大変に詳しい人物である。

今回も早速ニホンカナヘビを手に捕まえて、脱皮中と教えてくれた。

 

ニホンカナヘビ 6月1日 野鳥村

 

ウスバシロチョウの別名が「山のアゲハ」と、手に取って教えてくれた。

 

ウスバシロチョウ 6月1日 野鳥村

 

またこのトンボの複眼が左右に離れているのは、サナエトンボ科の特徴と教えてくれた。

このトンボの名前は、観察会に参加された虫に詳しい参加者が、後で“ダビドサナエ”と教えてくれた。

 

ダビドサナエ 野鳥村 6月1日

 

2時間ほどの観察会だったが、鳥の記録はキジ、ホトトギス、カッコウ、コゲラ、アオゲラ、サンショウクイ、ハシボソガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、ジョウビタキ、カワラヒワの12種類だった。

ジョウビタキだが、私は観察会の前と後で雄を見ることができた。

 

ジョウビタキ雄 6月1日 野鳥村

 

繁殖期に入っているジョウビタキの雄と、冬に善福寺公園で見るジョウビタキの雄とは、

繁殖期のジョウビタキの雄の方が、全体的に色彩が濃いように感じた。

 

ジョウビタキ雄 2020年2月1日 善福寺公園下池

 

ジョウビタキの繁殖については『悟堂山荘とジョウビタキ』の中で記述しているが、2010年6月21日に長野県富士見町で、ジョウビタキの繁殖が確認された。

国内でのジョウビタキの繁殖は、それまで北海道内での繁殖が1回確認されていたが、富士見町での繁殖は、本州で初めての正式記録となった。

昨年9月に発行された“日本鳥類目録【改訂第8版】”によれば、現在ジョウビタキの繁殖が認された道県は、北海道、長野県、兵庫県、岡山県、岐阜県、鳥取県、山梨県で、山形県の飛島でも繁殖が確認されている。

野鳥村の近くに住んでいる人の話では、冬鳥としてのジョウビタキよりも、春夏にいるジョウビタキの方が、数が多いそうです。

午後になってジョウビタキの幼鳥が現れた。

 

ジョウビタキ幼鳥 6月1日 野鳥村

 

三つの目的が達成できたが、実は思いがけないことがあった。

早朝に車で野鳥村に通じる道を運転していたら、目の前にシカの雄が現れた。

さすがにシカに向かうことはできないので、クラクションを鳴らしてシカに動いてもらった。

このシカの年齢は、野鳥村自然観察会の参加者にシカに詳しい人がいて、シカの写真を見せたところ、右側の角の先端が2本に分かれているので、それから2歳とわかると教えてもらった。

 

シカ雄 6月1日 野鳥村

 

 帰りは中央高速の小淵沢ICから自宅を目指したが、日曜日の午後ということもあり、談合坂SA手前からずっと渋滞中で、結局自宅に着くまで5時間30分もかかってしまった。